ワンルームマンション投資は成功率が低い!?儲からないカラクリと失敗する理由を解説

ワンルームマンション投資は、比較的小資本で不動産投資を始められることから、ワンルームマンション投資を検討している人も多いでしょう。投資を検討するにあたって気になるのが「ワンルームマンション投資の成功率は高いのか?」という点ではないでしょうか?
そこでこの記事では、ワンルームマンション投資の成功率について解説するとともに、ワンルームマンション投資が儲からないカラクリや失敗する理由を解説し、それらを踏まえたうえで、ワンルームマンション投資で失敗しない方法をお伝えします。
ワンルームマンション投資の成功率

ワンルームマンション投資に限らず、何かしらの投資を行う際には「他人は成功しているのか?」が気になってしまうものです。成功者が多いほど安心して投資を始められるため、成功率データを求めている人も多いでしょう。
ただし、不動産投資における成功の定義は人によって異なるため、成功率を算出することは困難です。そのため、他人の成功談に影響を受けず、自分の現状と将来ビジョンに合った目標設定を行うことが重要と言えます。
不動産投資の成功率データは存在しない
結論からお伝えすると、不動産投資の成功率を示すデータは存在していません。その理由としては「人によって成功の定義が違う」からです。例えば、仕事をせずに家賃収入だけで生活したい人もいれば、仕事を続けながら毎月数万円の収入を得たい人など、不動産投資を行う動機や目的が異なります。
どのような状態になれば成功なのかは人によって違うため、成功率を示すことは困難であると言えます。また、他人が成功していても、自分が全く同じことを出来るとは限りません。これまでの生活で培った知識や経験、現在状況等は人によって異なるため、まずは自分に合った成功を定義付けることが重要です。
ワンルームマンション投資で目指すべき成功とは?
自分に合った成功を定義付けるにあたって、「そもそもワンルームマンション投資で達成できるのか?」を考えることが重要です。ワンルームマンション投資の利回りは築年数や立地により異なりますが、一般的に4%~7%と言われています。実際には金利や管理費、税金等が必要となるため、実際の利回りはもっと低くなります。そこからローン返済費を差し引くと、手元にはほとんどお金は残らないでしょう。
また、ワンルームマンション投資は転売益を出しにくい投資モデルです。転売益を上乗せした価格だと利回りが悪くなってしまうため、購入してくれる投資家を見つけるのが難しくなってしまいます。転売益を得たい場合は、費用をかけてリフォームを行い、賃料を上げて利回りを上げる等の工夫が必要となりますが、投資初心者はリフォーム費用をかけすぎてしまい、逆に利回りを下げてしまうことにもなりかねないため避けた方が良いでしょう。
このように、ワンルームマンション投資ではインカムゲイン、キャピタルゲインともに得にくいため、減価償却による所得税の節税や、団体信用生命保険加入による生命保険効果狙いの投資が無難と言えます。
不動産投資における出口戦略の重要性
不動産投資に限らず、投資を行う際には出口戦略を立てておくことが重要です。特に不動産投資は、出口戦略を立てやすい投資と言われています。年数とともに賃料や売却価格は下がっていきますが、周辺相場を調べればある程度正確に計画を立てることができます。
賃料と売却価格の推移を分析してシミュレーションを行い、十分利益が上がるタイミングで売却するのが良いでしょう。最近ではインターネットで簡単に周辺相場を調べることが出来るため、購入を決める前に必ず出口戦略を立てるようにしましょう。
ワンルームマンション投資で利益を得る仕組み

ワンルームマンション投資で失敗しないためには、どのような仕組みで利益を得るのかを理解しておく必要があります。ここからは、不動産投資で得られる利益の種類と利回りについて解説します。
インカムゲイン(家賃収入)
不動産投資におけるインカムゲインとは、購入した不動産を賃貸に出すことで、定期的に得られる家賃収入のことをいいます。インカムゲインは経済情勢に左右されにくく安定した収入になるため、長期的な資産運用を心掛ける場合は特に重要となります。
ただし、安定収入を得られると言っても、不動産投資は賃借人がいないと家賃収入を得ることができないため、なるべく空室の状態にならないようにしなければいけません。そのため、賃貸需要の高いエリアかどうかを見極めることが大切です。
キャピタルゲイン(売買差益)
キャピタルゲインは、資産を購入した価格よりも高い価格で売却することで得られる利益を指します。 不動産投資におけるキャピタルゲインは、割安物件を購入して短期転売することで得られるものと、中長期間保有し社会情勢の影響で不動産価格が上がるのを待って売却する2パターンが考えられます。
ただし、転売目的の物件情報は、資本力のある大手企業をはじめ多くの不動産会社が毎日情報収集に励んでいるため、なかなか個人投資家に回ってくるものではありません。基本的には中長期間保有し、不動産価格が上がるのを待ってから売却することになるでしょう。
不動産価格は人気の高い都心エリアを中心に上がっていくため、今後も不動産価格の上昇が見込めるエリアかどうかを見極めることが重要です。
利回りの計算方法と考え方
購入するワンルームマンションを選ぶ際、利回りはとても重要な指標の一つです。利回りでは、購入価格に対して利益の割合を知ることができます。利回りには「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があり、計算方法には以下の違いがあります。
- 【表面利回り】(年間家賃収入)÷(不動産購入価格)×100%
- 【実質利回り】(年間家賃収入 – 諸経費 )÷(不動産購入価格 – 諸費用)×100%
表面利回りは諸経費を計算に入れていないため、具体的なシミュレーションを行うことが出来ません。正確に利益計算を行う場合には、必ず実質利回りを用いて計算するようにしましょう。
また、利回りは投資対象を選ぶ重要な指標の一つではありますが、利回りだけで判断するのは得策とは言えません。空室になって家賃収入が入ってこなくなる可能性もありますし、設備が故障して急な出費が必要になる可能性もあります。それらさまざまなリスクを加味して判断することが重要です。
ワンルームマンション投資が儲からないカラクリ

投資にはさまざまな種類がありますが、その中でもワンルームマンションは投資初心者には難易度が高く、利益を上げにくい投資手法と言えます。何故ワンルームマンション投資では利益を上げにくいのか、そのカラクリについて解説していきます。
投資家同士が利益を奪い合う構図
まず大きな要因として挙げられるのが、ワンルームマンション投資は投資家同士で利益を奪い合う構図になっている点です。中古のワンルームマンションを購入する場合、基本的に投資家の売主から購入することになりますが、売主も少しでも多くの利益を残したいため、販売価格を高く設定する傾向にあります。
不動産投資で利益を上げるためには、出来るだけ相場より安い物件を購入することが重要ですが、投資目的で購入している売主から相場より安く購入するのは至難の業です。相場と同等もしくは相場より少し高い価格で購入することになるため、必然的に投資利回りが悪くなってしまいます。
また、将来的に自分が物件を売却する際も、利益を残すために相場よりもさらに高い価格で売却をしなければいけなくなってしまうため、なかなか買い手が見つからない可能性が考えられます。
お得な物件情報は投資初心者に回らない
相場より安く売りに出されることが少ないワンルームマンションですが、相続税を納税するために売り急いでいる相続物件や、自己破産申請による管財物件など、さまざまなケースで相場より安く売りに出ることがあります。しかし、そういった物件の多くは、不動産会社やプロ投資家が市場に出回る前に購入してしまうため、投資初心者には情報すら回って来ないのが実情です。
不動産投資でしっかりと利益を上げるためには、人脈や情報収集力が不可欠です。不動産会社がバンバン営業しないと売れない物件や、ポータルサイトでずっと広告が出されている物件は、不動産会社やプロ投資家が購入しない何かしらの理由があると考えた方が良いでしょう。
新築マンションはデベロッパーが儲かる
一等地に建てられる新築ワンルームマンションへの投資は、一見すると魅力的な投資物件に見えるかもしれませんが、販売価格にはデベロッパーの利益が大きく上乗せされているため、市場相場より高い価格設定がされていることがほとんどです。将来、都市開発やインフレによって不動産価格や家賃相場が高くなれば利益を出せる可能性はありますが、よほどの相場上昇要因がなければ十分な利益は上げることはあまり期待出来ません。
新築時はプレミアムが付いているため高く販売され、家賃も高く設定できますが、数年立てば中古市場での価格下落リスクを背負うことになります。また、マンションの管理費や修繕積立金も年数とともに高くなっていくため、利回りは年々下がっていくことを把握しておきましょう。
ワンルームマンション投資で失敗する理由

ワンルームマンション投資で失敗する人の割合を示すデータはありませんが、SNSやニュース等を見ているとワンルームマンション投資をしたことを後悔している人も少なくありません。
ワンルームマンション投資で失敗する理由にはどのようなものがあるのでしょうか?ここからはワンルームマンション投資で失敗する主な理由を5つご紹介していきます。
賃借人が見つからず家賃収入がない
立地条件が悪く、そもそも賃貸需要が少ないエリアの物件を購入したり、賃料相場と比べて高い家賃を設定しているとなかなか賃借人が見つからず、家賃収入が全く入ってこない事態に陥る可能性があります。
空室期間もローン返済や管理費等の支払いはしなければならないため、家計が圧迫され生活が苦しくなってしまうでしょう。賃貸経営において、空室リスクはとても重要な課題と言えます。
家賃収入の減少で想定収入を下回る
周辺に競合物件が多かったり、ショッピングモールや学校の廃業により賃貸需要が低下してしまうと、家賃相場が下落し、当初想定していた家賃収入を下回るケースがあります。
家賃収入が減少することで、ローン返済や管理費等を差し引くと収支がマイナスになるリスクが高くなります。不動産を長期保有する場合は、赤字経営にならないかを購入前に見極めることが重要です。
建物の経年劣化で維持費が高くなる
ワンルームマンションに限らず、建物を良好な状態で維持するためには、定期的なメンテナンスが必要となります。築年数に応じて不具合が起こる頻度も多くなるため、管理費や修繕積立金は年々高くなる傾向にあります。特にワンルームマンションは戸数が少ない場合が多いため、1戸あたりの負担額は高くなります。
家賃収入は年々下がりますが、逆に管理費や修繕積立金は年々高くなる傾向にあるため、年数が経つほど収支が悪化してしまう可能性があるので注意が必要です。
金利上昇で収支バランスが悪化する
以前まではマイナス金利政策の影響で超低金利で融資を組めていましたが、マイナス金利政策の終了に伴い徐々に金融金利は上昇傾向にあり、この傾向はしばらく続くと考えられます。
借入後すぐに金利が上がり、ローン返済額が増えることで収支バランスが悪化するリスクがあるため、変動金利で融資を受けて不動産を長期保有する際には特に注意しましょう。
ローン残高が多くて売却できない
融資を受けて不動産を購入する場合、金融機関が購入物件に抵当権を設定します。抵当権はローン残高を全額返済しないと抹消できないため、売却価格よりローン残高が高い場合には、不足分を自己資金で補填しなければいけません。
もし自己資金をあまり持っていない場合、ワンルームマンションを売りたくても売れない事態に陥ります。毎月収支が赤字の場合、給与等から赤字分を補填し続けることになってしまいます。
ワンルームマンション投資で失敗しないための対策

ワンルームマンション投資で失敗しないためには、空室リスクや収支悪化リスクにくわえ、赤字経営に陥った場合や災害に備えておくことが大切です。具体的な対策としては以下の7つが考えられます。
家賃保証(サブリース)は利用しない
空室リスクを回避するために、サブリース会社と家賃保証契約(サブリース契約)を締結するオーナーは多いですが、収益性を高めるためにはサブリースは利用しない方が良いでしょう。
サブリース契約の多くが、周辺の家賃相場や建物の劣化状況に応じてサブリース会社から家賃の減額請求が認められており、想定の賃料収入を見込めない可能性があります。収益性が低下することで物件自体の価値が下がり、売却価格も低下してしまうため注意が必要です。
また、サブリース契約はオーナー側からの解約が難しいなど、オーナーにとって不利な条件で締結されていることがほとんどです。もしサブリースを利用する場合は、いくつかのサブリース会社を比較検討するとともに、契約内容を十分に理解しておくことが重要と言えるでしょう。
賃貸需要の高い都心エリアに限定する
不動産投資は賃借人がいないと収入が入ってこないため、物件の立地選定は極めて重要です。安いからという理由で賃貸需要のないエリアで物件を購入してしまうと、いつになっても収入を得ることができず、赤字経営が続く事態にもなりかねません。
都心は人口流入が多く、ファミリーや単身者を問わず常に一定の需要が見込めるため、安定した家賃収入を得やすくなります。安易に価格だけで判断せず「賃貸需要があるかどうか」を最優先に考えることが重要です。
修繕積立金の積み立て状況を確認する
ワンルームマンション投資でついつい見落としがちですが、マンションを購入する際は修繕積立金の積み立て状況を確認しておくことも重要です。マンションは経年劣化に伴い大規模修繕工事が必要となりますが、十分な積み立てが行われていない場合には突発的な負担金が生じる可能性があります。
負担金額があまりに高額だと収支計画が大きく狂ってしまい、思わぬ損害を被るリスクがあります。そのようなリスクを回避するためには、購入前に積み立て状況や修繕計画を確認し、健全な管理がなされているかを確認しておきましょう。
自己資金を用意する
金融機関によっては購入金額を丸ごと貸してくれる場合もありますが、フルローンで購入すると賃料減少や金利上昇が生じた際に収支がマイナスに転じるリスクが高くなります。
また、将来物件を売却する際にも自己資金を補填しなければならない可能性が高くなるため、なるべく購入時には物件価格の1割~2割の自己資金を用意し、無理のない資金計画を立てておくことが重要です。
火災保険・地震保険に加入する
ワンルームマンション投資に限らず、不動産投資では予期せぬ災害リスクに備えておく必要があります。万が一火災や地震により物件が損傷した場合、高額な修繕費用がかかるほか、家賃収入の減少といった損害を被る可能性があります。
保険に加入しておくことで損害を最小限に抑えることができるとともに、予測不能なリスクに対して備えることができるため、安心して不動産投資を行うことができます。
出口戦略を明確にしておく
不動産投資では、購入時点で「どのくらいの期間保有するのか?」「その期間の目標利益はいくらか?」といった出口戦略を明確にしておきましょう。出口戦略を決めておかないと曖昧な理由で投資判断をすることになり、失敗リスクが高まります。
出口戦略とはいわゆるゴール地点を決めることです。ゴール地点を決めておくことで投資判断にブレが生じにくくなり、さまざまな変化にも柔軟に対応できるようになります。
まとめ
ワンルームマンション投資は手軽に始められる反面、利回りの低さや売却価格の低下など、さまざまなリスクを伴います。また、周辺相場より高い価格や、訳あり物件と知らずに物件を購入してしまった場合、最悪の場合は売りたくても売れない状態に陥ることもあるため、細心の注意を払うことが重要です。
なお、当社ではワンルームマンション投資よりリスクが低く、購入前に将来の収支計画を立てやすい「ファミリー区分マンションオーナーチェンジ物件」への投資をおすすめしています。もし興味がありましたら、こちらのページをご確認ください。
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